スペイン子豚、ワイン、バール巡り大旅行 (from April 2 to April 26, 1999)
4月5日(月) セゴビア2日目
朝から洗濯。
コンピュサーブのアクセスポイントからローミングしてメールチェック。
サマータイムなので、朝7時半でもまだ真っ暗。
ホテルで朝食を取り、葡萄の母なる川、Duero川を拝みに北へ向かう。
茫漠とした景色が続くばかりで期待の葡萄畑はまったく見えない。
Peñafielの町で、工事中の古城跡へ上る。
( 工事中だったが、今はワイン博物館になっている。)
3人組みの老人にボデガ(ワイナリー)の Protosの場所を聞く。
皆さん超ヨボヨボ。
聞く人を間違ったかと、一瞬後悔したが、
墓地の方へ行けと震える手で方角を教えてくれる。
ホラー映画に出てくるような老人(失礼!)に墓地とは、何となく不気味だったが、
正しい情報であり、無事に墓地付近で Protos発見。
Protos '89, Gran Reserva (87点)を買う。
その近所の他のボデガを探すが見つからず、
あきらめて 6km ほど離れた Pesquera de Dueroへ向かう。
まず、Emilio Moroを発見し写真を撮る。
次に Pesqueraを作っている Alejandro Fernandezへ行く。
小さなオフィスで
Alenza '95, Ribera del Duero (97点)を購入。
さらに Duero川沿いに東へ上る。
途中で Hazaの山へ登る。
HAZAの城壁は Alejandro Fernandezのワイン HAZAのラベルの風景そのもの。
リベラデルデゥエロを一望できる丘である。
お腹が空いたので Aranda de Dueroの町にある Michelinお勧めマーク付きレストラン、
Asador de Meson, El Robleを探す。
町は混んでいたが、レストランに近い駐車スペースをタイミング良く見つけることができた。
ホワイトアスパラ、スープ、子羊の丸焼きを食べる。うまい満腹。
お腹も、車も満タンにして、N1から N110を通って、セゴビアのパラドールへ戻る。
パラドールのバールで赤3杯、白1杯を飲む。
セゴビアのパラドールは近代的な作りで、建築物として面白い。
オープンスペースにセンス良くテーブル&ソファーがコーディネートされている。
バールのカマレロ(ギャルソン)と世間話しをする。
スペインの葡萄は値段が昨年度比で2.5倍になり、
ワインは値上がりする一方だと嘆いていた。
バールで赤一本、
Marques de Velilla '96, Grandes Bodegas, Ribera del Duero (6.5/10点)
を購入、グラスを借りて、部屋で夜景を眺めながら飲むことにする。
ルームサービスで、ハモンとソパデアホ(にんにくスープ)を頼む。バケーション満喫。
4月6日(火)セゴビア3日目
セゴビアの城壁の中へ向かう。
旧市街だから道が狭いし、一方通行だらけだし、後ろに車の列ができるし、
地図は見なくちゃならないし。
結局、後ろの車に追われるように城壁から出るはめになる。
町の反対側から、新市街中心部の地下駐車場へ車を入れる。
城の近くに駐車しようと試みたのだが、まあ、こんなもんか。
事故を起こさないことが一番。
朝ご飯にコーヒーとトルティーヤ(いもの細かい切り方に特徴あり。美味。)を食べる。
サンタンデール銀行へ行くが、
「今日はコンピュータがダウンしているのでExchangeできない」と言われる。
向かいのBBVへはいると、長い列、行員の対応はゼロ。
何時になったら順番が来るかかわからない雰囲気だったので、
今日は Exchangeをあきらめる。
旧市街のオシャレなインテリアショップを覗いたり、ぶらぶら散歩。
Michelinの道路地図が欲しかったので本屋へ入る。
ファイアストンのものしかない。
政府刊行の全国道路地図(2300Pts)を買おうとしたところで、
Campsa(ガソリンスタンドチェーン)の道路地図が目にとまる。
付録にWineガイドがついている。本屋のおやじは、「これも信頼できる地図だ」と
力いっぱい言うので、ワインガイドの付録につられて2995Ptsで Campsaの地図を購入。
プラザマヨールの、Michelin赤本にも乗っているレストランのバールのテラスで、
ハモンイベリコをつまみにCAVA, Codorniu 1551の
フルボトルを飲む。ああ、極楽。
腰ポシェットにカメラというティピカルなジャパニーズ旅行者を2人見かける。
セゴビア城を見学し14時半ころに再度、ホセマリアで子豚を食べることにする。
混み合いはじめる寸前に店に滑り込む。
子ブタを食べて、ワインを飲んで、胃の容量オーバーに再び苦しむことになる。
この店のハウスワインである
Pago de Caraovejas '97,(Tinto Fino,CS) が、
相変わらず美味しい。今日の子豚はジューシーで、部位によって味が違う。
アイスクリームを食べたり、とにかく酔いを醒ます努力をする。
パラドールまでは、まあ、そう遠くはないし、酔っ払い運転で帰ることとしよう。
地下駐車場はなんと1080Ptsも取られた。
城壁の中も、ブルーゾーン(駐車可能エリア)は多いので、
ぐるぐるまわって方向感覚をつけてから、
便利そうなとこへ止めたほうが安上がりだ。
食べ過ぎで、妻ダウン。17時から翌朝の6時まで眠り続ける。
4月7日(水)セゴビア→バヨーナ
朝ご飯をしっかり食べて、チェックアウト。
フロントから、バヨーナのパラドールに予約確認連絡してもらう。
昨日買った地図を最大限に利用して、効率よく 高速道路 A6 にのる。
あとはひたすら長距離バスをペースメーカにして、北に向かい、走る走る。
Duero川に近づくとワイン畑も見えはじめる。
葡萄畑を見ながら休憩できるところはないかと、
Duero川沿いのパラドールへ寄り道をする。
しかしパラドールからは、川も、葡萄も、なんにも見えない。
がっかりして、A6 に戻り、A52 に入って進路を西に変え、ひたすら走る。
A52はできたばかりの新しい高速道路。
快調に飛ばすが、あちこちで細かい工事をしている。
途中で大きな工事中区間があったが、安全対策がいい加減なので恐かった。
交通事故も見かけた。
途中、ベリンの町でいったん高速道路を降りて、町から4キロほど外れの
レストラン ガイェゴ (Gallego) で昼食を取る。
野菜とハーブが散りばめてあるパテがうまい。
白ワインもすっきりしていてうまい。
ねぎとハモンの炒め物は大量だ。まあうまい。
あたり一面、葡萄畑。高速道路 A52 へ戻り、ひたすら走る走る。
大西洋岸の町 Vigoに近づくと、道が混み始めて、運転が恐い。
町中に入ると、さらに恐い。
人は飛び出す、車は2重駐車、自転車は我が物顔に走る。
運転に疲れる。海岸沿を南へ進路を変える。
Vigoは、西側が大西洋の小さな町で、
高速道、国道、多くの幹線道路が交差している。
バヨーナのパラドールは、立派で静か。
さすがに運転に疲れて、バールで白ワインを一杯飲んだら貧血気味になる。
部屋で CAVAを飲んで、とにかく寝る。
セゴビアを10時半ころでて、バヨーナ到着は19時。
途中で昼食を取ったとはいえ、8時間半も運転していたことになる。
4月8日 バヨーナ2日目
たっぷり寝た後にシャワーを浴びると、
構造上の問題でバスルームの床が水浸しになる。
城跡のパラドールはバヨーナの岬に立地しており、観光名所となっている。
ぶらぶら城壁を廻って、街へ出る。時刻は10時くらい。
インフォメーションで、この地でお目当ての貝の名前(Navajas)と、
バール街の場所を教えてもらい早速向かう。
しかし、まだ時間が早すぎてどの店も開いていない。
BBVで4万円を Excahngeする。コミッション1000Pts取られて約5万Pts。
まあまあのレート。
メインストリートの端のバールで、コーヒーと餃子のおばけ Empanada
de pulpoを食べる。冷えていたのが残念。
あちこちの店をチェックしながら、ぶらぶら歩く。
開いているバールを見つけ白ワインと、自家製白ワインを飲む。
自家製ワインは、ちょっと赤っぽくって、酵母がわずかに浮いている。おもしろい。
Navajasのことを聞くと、今は時期ではないのでメニューに用意していないと言われる。
がっくり。
地元の人がどんどん入って来て、バールに活気が出てきた。時刻は12時くらい。
ぶらぶら歩いて、赤ワインが飲みたくなって、他のバールに入る。
アニマル柄のスパッツのおばさんがてきぱき働いている。
港町のせいか、バールの従業員に女性が多い。
地元の赤ワイン Ribiero 100Pts を飲む。
ちょっと炭酸分があって、すっきりしていて美味しい。
後生大切に日本から持ってきた、大きくて邪魔な25Pts硬貨をだすと、
これはもう使えないと言われる。
近所の雑貨屋でムースを買う。
大きな25Pts硬貨を再度取り出すと、やはり、
2年前に切り替わったのでもう使えないと言われる。
近所のスーパーに入る。
野菜、果物、魚、肉が安い。
値段がキロ単位なのだが、日本の10分の1で錯覚する。
一番高い白ワインSantiago Luiz O Rosal '97, Rias Baixas (5.5/10点)
, 1794Ptsを、Labelにつられて買う。
ぶらぶらしながら、感じのよいバールを見つける。
まだ開いていないが、Navajasがあるかどうか聞く。
14時頃には入ると言われて、幸せ気分で出直すことにする。
先ほど買ったワインが重たいので、一旦パラドールにもどる。
パラドールのレストランが開いている。
Navajasもメニューにあるので少々迷ったが、ここは見送る。
13時半くらい、お腹もいい具合に空いてきたし、レストランも開く時間なので、
パラドールから出かける。
ミシュランに載っている Moscon へ入る。
ここには、Navajas料理は無かったが、
かき
(パシフィックオイスターではなく日本では見かけない種類、多分チリガキに近い)、
あさり、ひらめ、スープ、白ワイン Albariñoを頂く。
味付けが濃いが、まあうまい。
さて「14時頃にはNavajasが入る」と言われた、先程のバールへ行く。
時刻は15時を廻ったところ。
店は混んでいる。 Navajasはあるという。
Navajas a la plancha (ナバハスの鉄板焼き)、 Caramares fritos (イカフライ)、
それに白ワイン
Lagar de Cervera '97, Rias Baixas (Albarino)(7.25/10点)、
(http://www.riojalta.com)
を一本頼む。
美味い。
コーヒーとフランを頼んでさあ帰ろうかと言うときに、
向こうのテーブルで黄色い飲み物を飲んでいるのに気が付く。
あれは何だ聞くと、Orujo de Hierbasと聞いたことのない名前。
好奇心で一杯たのむ。甘目のリキュールだ。
もう一種類あるという。こちらは透明でドライ。
地元のグラッパだそうだ。十分にきつい。
途中でアイスクリームを食べて、貝殻を拾い、パラドールへ戻りシエスタ。
18時頃。食べ過ぎで体が重い。グラッパも効いて、ばったりと寝る。
シエスタから目覚めると、花粉症が出てきた。
鼻がつらい。昼間の城壁の散歩で、たくさん花粉を浴びたのが原因だろう。
日記を付ける。21時に卵の黄身のような夕日が落ちかかる。
ずいぶんとサマータイムだ。眠れないので、昼間購入した
Santiago de Luizを開ける。
4月9日(金)バヨーナ3日目 ツイまでドライブ
朝ご飯をホテルで食べて、南に向かう。
ワイン街道を山の中へ入りこみ、獣道をどんどん登るが、
ツイの街への方向から外れていくので、途中で引き返す。
ツイのパラドールで休憩。ちびクロケッタ(コロッケ)のおやつをたべる。
ミーニョ川の対岸はポルトガル、大通り公園の南と北に違う国が見えるという感覚だ。
エフェル塔のエッフェルさんが設計したという、ぼろぼろの橋を渡って、
ポルトガルにタッチする。さすがEU同盟国はボーダレス。かつてのイミグレは廃虚となっていた。
いくつかのボデガ(As LaxasとSantiago de Luiz)の前を通るが、
タイミングが悪くて、どこも閉まっていた。
帰り道、郊外のレストラン Rocamarで、スープとイセエビを食べる。
地元イセエビは高い。高いのでうまくて当たり前。白ワインハーフ、
Morgadio '98、Albariñoを妻のみいただく。
ホテルで昼寝。18時頃出かける。スーパーで水などを買う。
19時だというのにバールはまだろくに開いていない。
先日も行ったバール、Jaqueyuiへ行く。まだ、客はいない。
例によって Navajas、ガリシア風たこ(柔らかくてうまい)、サラダ2皿、
Almejas a la marina(黄色い玉ねぎかたくりこのソース)、
Mejion con salsa picante (にんじんトマトのオレンジ色のソース、
Albarino1本とグラスで5杯頼む。
十分に酔っ払う。
21頃、店が混み出してきたので退散することにする。
帰り道、アイスクリームを買って食べならがら海沿いを散歩。
町並みとパラドールのライトアップが、夕暮れに映える。
4月10日(土)バヨーナ→サモラ
朝10時過ぎにチェックアウト。なんとなく余分に割り引かれている雰囲気。
追求するのはやめておこう。これがスペイン流。
さて、北のVIGOへ向かう。
VIGOの町は、変わらずごちゃごちゃしているが、土曜の朝なので
交通量は予想していたほど多くなくて、問題なく高速道に乗ることができた。
ひたすら高速道を走る。
くたびれて Verinのパラドールで休憩。
もう13時。Verinの町から高速へ戻るのに迷う。
これじゃあ、次の目的地 Zamoraに 16時までには着けそうもない。
ひたすら高速を、最高速度170Km/hでとばす。
車が大きいので、去年ほどは疲れない。
トラック2台とバスとポリスが止まっている。
事故かな?往路でもこの近辺で事故を見た。
大きな峠をいくつかこえるのだが、運転には十分な注意が必要。
スペインの工事中の安全対策は大雑把なので、
特に対面通行の工事中区間などは慣れないと危ない。
高速道を大回りして Zamoraに入ると、
予約タイムリミットの 16時に間に合わない可能性がある。
高速道を降りて国立公園地帯を突っ切ることにする。
N631 は道の細さにびびったが、峠も無くスムーズに走ることができた。
どうにか予約に間に合いそうな時間で、Zamoraの街に入る。
パラドールへの案内図はアバウトで信頼性に欠けるので、
前夜に予習しておいたコースで旧市街へアプローチする。
迷ったと思ってUターンしたら、そこがパラドールの裏だった。
どうにか時間のロスなく到着できた。パティオの雰囲気の良いパラドールだ。
ホテルのフロントで駐車場の場所を聞いて、車を移動する。
さて、駐車場だと言われた場所には、オフィシャルユーズ、
関係者以外だめと書いてある。
駐車場はどこだと迷っているうちに旧市街から出てしまい、
町を一周することになる。
どこにもパラドールの案内標識は出ていない。今度は間違って旧市街に迷い込む。
一方通行を逆進して正面からの車に怒られる。
なんとかパラドールに戻り、フロントで駐車場の場所を再確認。
やはり、最初に行った場所で良かったのだった。
パラドールの看板くらい立てておいて欲しいところだが、これもスペイン流。
完璧を望んではいけない。
ホテルのバールでハモンイベリコをつまみ、
グラスで赤とCAVA(Anna de Codorniu)一本を飲む。
歩く人々の様子を観察して、スーパーマーケットを探す。無性に イチゴが食べたい。
スーパー袋を持っている人が現れる方へ、あてもなく歩く。
まぎらわしい袋を持つ おばさんおじさんとすれ違うが、
無事にスーパーマーケット発見をする。
いちご と びわ をたくさん買い、ホテルで食べる。
ビタミン不足で本能的に果物が食べたくなったのだろう。
部屋の窓の下がレストランのテラスになっている。
おばさんたちが、にぎやかを通り越してうるさい。赤ん坊が泣きつづけている。
ぶぶちゃんよりうるさい。
洗濯をして、暗くなった町へ出る。
人はとても多いのだが、みなさん、どこへ行くというわけでもなく、
一本の道を何度も往復しているようだ。
ぶらぶらゆっくり歩き回っている。
若者は溜まって騒いでいる。
にぎやかを通り越して、やはりうるさい。
我々はうまそうなバールを探してさ迷い歩くが、なかなかアンテナが立つ店が無い。
やっと一件のバール(Horno)を発見して、赤6杯、TAPA4皿食する。
わずかに1300Pts。
日本のワインバーとの価格差は、いったいなんなんだ。世の中、おかしい。
4月11日(日)サモラ2日目
11時ころ腰をあげて、Duero川をさかのぼる。
Michelinを信じて葡萄畑を目指し、
県道を通らずわざわざ川の南側の農道からTOROの街に向かう。
でこぼこ道で疲れただけで、期待していた葡萄畑は なんにも見えない。
TOROの町をすぎたあたりから葡萄畑が広がりはじめる。
Valladolidの街へで休憩しようと、更に東へ向かう。
まずは、プラザマヨールを探し走り回るが、なにか変だ。
人口34万人の街のはずなのに活気がない。冷静に地図を確認すると、街の形がちがう。
Nueva Toresillasなんていう名の建物がある。
なんと、Valladolidと30Km手前の Tordesillasの街を錯覚していたのであった。
気を取り直して、Valladolidへ向かう。Michelinお勧めマークのレストラン、
La Pedrizaを探す。地図を頼りに、ぐるぐるまわって発見。
近くの地下駐車場に車を止めてレストランに入る。
バールで軽く昼食をとるつもりが、スペインのカマレロの調子のよいノリで、
「お昼ご飯たべね、ハイこちへどうぞぉー」とばかりに、
奥のレストランにすすめられ、気がついたらテーブルに座わっていた。
絶対に後悔することが解っているのに、Michelinお勧めの子羊のランチを頼んだ。
店の入り口に鎮座していた石釜の中でジュージューされる子羊たちが、
脳のなかに想像される。
「石釜で油が落ちた子羊さん、めちゃうまそう」と思った瞬間、
「いいや胃が多少痛くなったって、大丈夫さ」と、自滅の道まっしぐら。
Sopa de Castillana, Cordero asado, ハウスワインの赤(値段の割には美味しくない)を
たらふくお腹に詰め込む。
しかし幸せもつかの間、胃がもたれはじめ、やはり後悔する。
デザートは、小麦粉がだまになったカスタードクリームもどきのへんてこなもの。
クリームを包む揚げパイのようなものは、油臭い。これは頂けない。
Michelinを100%信じちゃいけないのであった。
そのあとに デザート酒で、アニス酒。
まあまあいけるが、付属のちびドーナッツも油臭い。
油臭いと言いながらも、いい気になって、ドーナッツをアニス酒に浸して食べすぎ、
後悔の渦。
一生分の子羊の丸焼きを食した気分。ゲフ。
この子羊を、
Le Gentelhomme
の大川シェフに料理していただきたい。あー美味そう。
とりあえず、お勘定を済ませ、チップを置くことにしたが、小銭不足。
1pt硬貨も含めあり小銭全てを、ドーネーション。
しかし、不足を感じ、気の弱い日本人そそくさとに出口へ急ぐ。
おトイレかねて、近所のバールへ寄り道。コーヒーとワインを頼む。
その後、さらに東へDuero川をさかのぼる。Ribera del Duero地帯、立派なボデガが沢山あるが、
どこも日曜日なので休みに決まっている。
たしかに、決まっているとおり休みであった。
ウニコの Vega Sicilia(写真あり)を拝んで、ワイン地帯を通りサモラへと戻る。
サモラに入ると 旧市街にあるパラドールにアプローチしなければならない。
これが大変なんだな。ちょっと迷って、パラドール到着。19時くらい。
スーパーで購入し、冷やしておいたAnna de CodorniuのCAVAで、
胃壁にこびりついたままの、昼食でたべた子羊の油分をパフーッと洗い流す。
飲み足りないが、外に出る元気もなく、ホテルのバールへ行く。
お気に入りカマレロおじさんは不在。融通機かなそうなおばばがいる。
おばばに、あーだこーだと、うるさい注文をし、Crementoの赤とロゼを一杯ずつ。
しかし、満足せず。
うまい赤がのみたい。
Unicoでもあればなーと思っていたら、
お気に入りカマレロおじさんの登場。
おばばではなく、おやじのサービスを受けようと、
タイミングを見計らって Wine Listを頼む。
しかし、拝んできたUnicoはない。
飲みたかったProtos 95もない。
ぱっとしたワインは見当たらない。
Zamoraは、すこしワイン文化圏から外れているのかもしれない。
よーく目をこらし、ワインリストから一本オーダーする。
Viña Mayor Criansa '95,
http://www.habarcelo.esの在庫はなし。
'94、Reserva(5.25/10点)を頼む。
半分飲んだところで、バールから人影が消えて行く。
おやじもお掃除、後かたつけ状態。
23時を回り、カマレロのおじさんに、
Wineとグラスをお部屋に持っていっていいかと聞く。
Yesの答えを承知で、とりあえず確認。
部屋に持ちこんだこのワイン(Tinto de Pais)は、なんだかマデラ酒ぽく、へた臭い。
4月12日(月) サモラ→サラマンカ→カサレス
9時半に出発。順調に街を脱出する。
サラマンカの町で中心部へのアプローチに手間取る。
友人ヘスースとの約束は10時半、プラザマイヨールの時計下。急ぐ。
至るところで工事中。
ブルージュとサラマンカがEU文化都市に指定されたとのことで、
2002年目標に、大々的な改修工事が行われているとのこと。
2002年までこの2都市には行かないほうがよいかもしれない。
プラザマヨールは、工事のネットがかかり、どれが待ち合わせの時計か区別がつかない。
今日はサラマンカの休日(アグアデルネス)だそうで、
バールはすべて午前中のみ営業。
午後には、店を閉めて皆さん田舎へ帰り、家族揃って食事をするのが慣習とのこと。
ヘーススがおすすめのハモンのうまい店に向かうが、やはり閉まっている。
残念。
うまい昼飯を食べようと、レストランへ向かうが、軒並み閉まっている。
昼食をとって、バールへ行く。ヘスースのおごり。相変わらずよいおやじ。
あごひげが短くなっていた。暑くて絶えられなくなり、昨日半分トリムしたとのこと。
ヘスースの住んでいる郊外のアパートへ行く。
彼の部屋は、日本のものがところ狭しと並んでいる。
16時前に、ヘスースに国道まで送ってもらって、N630をカセレスへ向かう。
月曜日ということもあって、道が混んでいる。
トラックに前を塞がれて、ペースが上がらない。
ひたすら走って、カセレスに入る。距離よりも遠く感じた。
Paradorは見つかるが、すでに20時前なので駐車スペースがない。
チェックインをとりあえず済ませて、まともなところに止めようとするが、
車が大きいのと、旧市街で極端に狭いのとで、思うように止められない。
消耗して、ぐるぐる廻っていると、ちょうど出て行く車があったので、
そこへ車を止める。
疲れ切って、部屋に入る前に まずバールで
CAVA, Anna de Codorniu(8.50/10点)
http://www.asertel.es/codorniu
フルボトルを飲む。
ハモンを頼み、Extremadura 産の赤も2種類のむ。
さて部屋に入って、冷蔵庫のCAVAを2本開ける。高くついたが、疲れは癒された。
Careces (Extremadurenos)の気質は、男女ともにさっぱり、キビキビ。
気に入ってしまった。
4月13日(火) カセレス2日目
12時過ぎまで寝る。昨日の疲れは残っているが、街へ出かけるとする。
さすがに町全体が国の重要文化財指定なので歴史を感じる。街中由緒正しい宮殿だらけ。
サンタンデール銀行に行くが、コミッションが高そうだ。BBVへ行く。
6万円のチェックの交換を頼むが、日本円のレートを知らないようで、
額が多すぎると言われる。
マネージャーらしき人物ともとりあえず相談して、
やはり Mucho Dinero (Too Much Money)
という認識で、なにが Too Muchなんだか解らないが、
多分日本人があまり足を踏み入れない土地なのであろう。
3万円だけ交換することで交渉成立。
ドルやユーロ、ポンドとは、桁が違うのだけれどね。
やはり、日本で換金するよりは、レートが良い。
ミシュランお勧めのホテルを見に行く。パラドールより外観は高級感がある。
隣にバールがあり、バール探知機アンテナがピーン、気がつくとカウンターの椅子に座っている。
棚には、うまそうなワインボトルが飾ってある。
ここのお姉さん、ワイン好きとのことで、アンテナの感度は良かったようだ。
カセレス料理でうまいというものを次々進められ、ハモン、おつまみチーズに感動。
白2、ロゼ、赤 ( Marques de Villalbe )、リオハ、
地元のカベルネ ( C/S '94 Ruiz Torres / Caceres )を飲む。
インビテーションもあり、お会計はなんと2000Ptsぽっきり。
すごい国だ。巨満足。夜も足を運ぶ決心をする。
スペインでは、カテドラルで十字を切るより、バールで舌鼓を打つ。
これが正しい旅行というもんだ。
夜は、昼のバールの姉妹店というレストランをさがす。
ちょっと迷って、発見。空いているので多少の不安がよぎるが、入ることにする。
食べたものは、全て、とても美味かった。
赤ピーマンにアスパラの詰め物にトマトとチーズのクリームソース。
離乳前子羊のリードボー。
トマトスープ。赤ワイン2杯。ピスコみたいな自家製のお酒をごちそうになる。
ちなみに、このバールのおやじは、お昼に行ったバールのお姉さんのご主人で、
日本食、特にお寿司がが大好きとのこと。
Madridの Suntryというジャパニーズレストランに良く行くと言う。
帰りにお姉さんの店で、お勧めのやぎのチーズと赤2杯&白一杯。
またまた自家製葡萄蒸留酒をいただく羽目になる。
明日は長距離を突っ走るというのに、飲み過ぎの夜はエンドレスなのだ。
4月14日(水)カセレス→マルベーヤ(大移動)
起きたらすでに9時前。大急ぎでパッキングを済ませ、9時半過ぎにチェックアウト。
カセレスの街を出るのに手間取り、30分消費。
途中、逆方向に気づき、おまわりさんの姿を横目に、国道を大胆にもU-turn。
やはり、止められる。
君たちそこでU-turnしただろ、と言われるが、とぼけて、Melidaはどこだと道を聞く。
Policeは国際免許をチェックした後、とぼけた外国人に違反を追求するのをあきらめ、
やさしく道案内。
おやじがやさしい国である。気を取り直し、中間地点のセビリヤへ向かう。
おまわりさんがそこら中巡回しており、取り締まりをしていた。
ヘリや白バイも見かける。途中 Zafra のパラドールで休憩。
セビリヤに近づくと車線も増えて道がよくなるが、車の量もずいぶんと増える。
わりと秩序が感じられない国で、路上にいろんなものが散乱しており危険だ。
セビリアを過ぎたあたりで、給油と休憩。
高速道は、トラックにいらいらさせられずに済む。ひたすら走る。
このあたりの高速A92は、舗装がずいぶんと傷んでいる。
所々で補修工事のために対面通行。
マラガから地中海を西へ向かう。このあたりから、また車の流れが大きく変わる。
流れのリズムをつかめない。よく車線がわからないような、工事区間も多い。
食事も取らずにとにかく走り、17時半過ぎにジェットセット族がはびこるマルベーヤに到着。
まずは、街に出る。お目当てのバールは閉店しているようだ。
他のバールへ行く。白2酒、赤2種、マンサニーヤ。
たらこのあえもの、えびのあえもの、肉だんご、かにのつめのあげもの、魚介のスープ、
白魚のあげものをほおばる。
たらこのあえものは、絶品。街は、ドイツ語、ノンネイティブの英語が氾濫している。
定年過ぎの白人旅行客が多い。
これから5泊、この街にお世話になるので、今日はとりあえず、大人しくホテルに帰ることにする。
4月15日(木)マルベーヤ 2日目 ヘレスまでドライブ
朝食を9時半ころ食べる。このホテル(El Fuerte)は、白人の老人ばかりだ。
とにかくドイツ人が多い。
これだけ多量に白人を目にすると、白人に酔ってしまって、食はすすまない。
USAへ旅行に行った時には、こんな感覚には襲われなかったのに。
朝食も、CAVA以外、食べたいものが用意されていないホテルは、
スペインで始めてあたった。
ホテルのガレージから車を出そうとするが、もろもろの問題が出てくる。
駐車スペースは一杯で、テニスコートを一つつぶし駐車場にしている。
二重駐車があたりまえで、ボーイがせっせと移動させているようだが、システムがよく分からない。
昨日はボーイに地下ガレージへ車を入れてもらったので、出してもらうように頼むが、
なかなか出てこない。
Puerto Banusに向かう。ベントレーが普通に走っている。
ベンツやBMWは、この街ではカローラやサニーのようだ。
Jerez de Frontera へ向かう。
途中で、アフリカ大陸が見える。
大量の風力発電機が設置されており、巨大なプロペラを回転させている光景が、
なぜか薄気味悪く感じる。
山間の白い家の村はやはり美しい。
巨大TIO PEPEおじさんの看板が見えはじめるが、葡萄畑は見当たらない。
Jerezは、シェリー城下町だ。バールへ寄って昼食をとり、Gonzales−Byassのボデガへ向かう。
16時からの有料ツアーを見学する。きわめて観光化されてしまったシステムに驚く。
5、6年前は、もっと醸造行程を詳しく説明してくれた。
コクトーのサインのある樽の前で写真を取る。
帰り道は順調。20時過ぎにホテルのガレージに自分で入れる。
これがまた極めて狭い。これじゃあ、出すのが大変だ。
ヨーロッパでは、車種はコンパクトに限る。
スモールだと、高速道路の長距離移動がつらい。
街へ出て、水を買ってから、昨日探して閉店かと思ってあきらめたバールを、
気を取りなおして、厳密に探してみる。
3年前とはいえ、あんなに美味しく、何時もにぎわっていたバールが閉店するわけがないからだ。
結果、発見。やはり健在であった。
( El Estrecho , c/ san lazaro, 12 )昔と変わらずとても混んでいる。
赤ピーマンの詰め物、トマトクリームソース煮がこの店のお目当てだ。
美味い。なつかしのオーナーのおじさんもいた。
おなかも一杯になったところで、近所のおしゃれなバールへ入る。
店内の壁にビロードのカーテンの絵が立体的に描かれていて、装飾が面白い。
オーナーらしき女性とギャルソンはフランス語Native。何となく、
この界隈から異常に浮いているバールだ。
メニュー的にはどうということは無いので、
CAVAを1杯だけ飲んで出る。
帰り道に目を付けていたバールでJeresを1杯飲んで、ホテルに帰って、寝る。
4月16日(金)マルベーヤ3日目
今日は車の運転はお休み。寝る日に決める。
朝食から CAVAを飲みながら、マンウォッチング。
相変わらず、金ぴかの髪の毛と薄い色の目のよぼよぼの老人がたくさんだ。
部屋にもどり、バルコニーから外を眺めると、晴れているが風が冷たいなか、
トドのようなおば(あ)さんたちが、ビキニをきて、大胆なポーズで日光浴。
地中海の景観を壊している。朝CAVAが効いてきたので、少し早めのシエスタ。
12時半に起きて、Exchangeのために銀行へ行く。水とワインを買う。
Pesqueraというバールへ行き、えびのPil-pil、あさりのワイン−オリーブオイル炒め、
たらこの酢漬けを白ワインで流し込む。
となりの娘が薄気味悪い。砂糖を落としただけで、へらへらと笑ったかと思うと、
次に悲しそうなを出している。
視線もぜんぜん定まっていない。
情緒不安定なのか、何かで頭がぶっ飛んでいるのか、思わずバックをしっかり押さえてしまう。
ホテルのバールで白、赤、
Manzanilla、
Oloroso Seco
を飲んで、バールのおやじからVega Siciliaが売っていそうなWINEショップの情報を仕入れる。
風が強くなり、うす曇りになってきた。
バルコニー下のトドさんたちは、さすがに引き上げたようだ。
洗濯して、シエスタ。目が覚めると21時。なんとなくおなかが空いてきた。
パエリア、中華の春巻き、日本食、ルームサービス等、候補を考えて、結局、
バール街へ向かうことにする。
お気に入りバールで、赤ピーマンのほうれん草&まぐろの詰め物トマトクリームソース、
赤ピーマンのオリーブ漬け、トン足の煮込み、肉団子(セージが効いてうまい)、
煮ぶたのスライスを赤、ロゼで頂く。
これで1700Pts。
帰り道のPesqueraで、たらこの酢漬け(ここのが食べた中で一番うまい)を一皿と、
Cavaと白。
ほろ酔い気分で寝るとする。
食っちゃシエスタの繰り返しで、このままだと、あっという間に、
バルコニー下のトドさんになってしまうかもしれない。
4月17日(土)マルベーヤ4日目
まずは、朝食でマンウォッチング。週末を迎えて、客層が変わった。
老人が減った。ホテルは、ゴルフツアーで集客に精を出しているようだ。
昨日、ホテルのバールのおやじから仕入れた情報に基づき、UNICO探しに出かける。
ちょっと迷って着いたところは、近代的な巨大ショッピングセンターだった。
こんなところにろくなWINEがあるわけがない。ガセネタであった。
それでも、スペインのショッピングセンターを十分満喫。
CDを何枚か買う。ハモンイベリコとパテとWINEを仕入れる。
車をホテルに戻し、昼食に出る。la Pesqueraのレストラン部で、
特性パエリア(アルデンテで美味い)、
ガスパチョ(トッピングの生野菜、特にたまねぎは入れないほうがよい)、
野菜スープを食べる。
WINEはEmilo Moro, Crianza '96, Ribera del Duero 。
食いすぎで苦しい。
Marbellaに来て、初めて海岸を散歩する。
食うことばかりで、せっかくの地中海を見るのを忘れていた。
ここは海辺のリゾートであることを、よく認識した。
海岸は整備されていて美しい。
部屋で、ショッピングセンターで仕入れたCAVAを飲み、
ハモンとパテをおつまみに赤2本、
Castillo Ygay, Gran Reserva Especial '89,
Rioja とTorremilanos '95, Ribera del Duero
(7.75/10点)、
http://www.iconet.es/torremilanosを開けた。
4月18日(日)マルベーヤ5日目
本日の朝食は、満席。テーブルがないと、カマレロにクレーム。
4人席へと案内されるが、その後も、朝食客が後をたたずで、居心地が悪い。
今日のウインナーは、まるちゃんの魚肉ソーセジぽくっていただけない。
満足度ゼロで、部屋に戻る。
今日は日曜日、多分お店はバール以外は休み。
でも、とりあえず街中チェックに出掛けるとする。
やはり、どこも閉まっており、日差しも強く歩き疲れる。
のども乾いたので、Plazaのカフェで白ワインを飲む。
1時間ほど休憩し、Michelin3本フォークのご飯ものが得意という、
La Traindaへ、いざ出陣。
入口を通ると「ピンポーン、ピンポーン」と、店主が奥でTVを見ているパターンの
日本の雑貨屋にあるような呼び鈴で、ウエルカム。ピンポーンを聞いて、
だいすけのように逃げたくなり、
店のチョイスに後悔するが、足を踏み入れてしまってからは、後戻りはできず。
そのまま2階のレストランへと通される。
ブルーのガラスのお皿、それと対のキャンドル立て、真っ白いテーブルクロス、
かなりイっちゃっているくらい、おしゃれかなんだかわからんインテリヤ。
特にすごいのは、トイレ。
ゴージャス凝りすぎ。だが、Gentlman部は、換気扇がウーウーうなっていて、
安心して用は足せない。
野菜不足で食べたかったにんじんのスティックサラダが、
ブルーチーズとともに出てくる。
ここで、今後の料理に若干の期待。
白ワインのハーフ、シーフードクリームスープ、ガスパッチョ、
アンティチョークのソースのリゾット、えびソースの辛口リゾットをオーダー。
塩分控えめでうまい。満足度十分。
オーナーらしき人物も愛想がよく、上は真紅のシャツをボタン3つ目まで開け、
下は黒いパンツで、めがねに鎖をつけた、きざな白髪の紳士。
各テーブル周りをし、客にどうだったか、笑み満杯にたずねている。
14時前に入ったときにはだれもいなかったが、
次々と地元の裕福層的な人々が入ってきていた。
店内の音楽の趣味と、ある種独特のインテリア
(置物は、日本人には不気味だが、外国人受けするオリエンタル調のアンティーク)
はいただけなかったたが、味にはすごぶる満足のレストランであった。
アンティチョークのリゾットは、また食べたい。
ホテルに戻って2時間ほど昼寝。
17時半ころ、海辺を散歩。海沿いのテラスで
CAVAとサングリア
を頂く。
正しいリゾート。
ここがドイツ人のハワイと化してしまっているのも分かる気がする。
ドリームビーチもこうなればね・・・
ぶらぶら歩いて、Pesqueraへ。
お米は消化が良いようで、胃もたれなし。
ここでも更に食べて、飲む。店が混んできたところで、席を立つ。
おじさんの店の前を通るが、日曜日は残念ながら休み。
ホテルに帰って、部屋のバルコニーでWINEをのみ、昨日の残りのパテを食べる。
今日は暖かく、外で飲みたい気分になる。
日曜の夜、ホテルは海辺に生バンドを招いてのディスコを設置。
月夜に照らされながらYMCAを踊っている人影が、海と重なっている。
4月19日(月)マルベーヤ→ハエン
最後まで美味しくなかったホテルの朝食を食べて、11時頃チェックアウト。
グラナダとハエンの分岐で、高速道をバックしているじいさんにびびる以外は、
順調に走る。確かにあの分岐は、不意をつかれて分かり難い。
14時前には Jaenの街が見えるが、高速道を降りる判断を誤ったかもしれない。
正解だったのかもしれない。
埃っぽい街、Jaenの交通リズムになじめず、余計なトリップをして山の上のParadorへたどり着く。
パラドールは街から 5Kmというが、もっと遠く感じる。
街へ出るのが億劫になって、Paradorで昼食。
アスパラのクリームスープ、ガスパッチョ、野菜シチュー、子羊のグリル。
地元の赤WINE1本(Bailen産初出荷のクリアンサ94、テンプラニーニョ)を頂く。
その後、お決まりのシエスタ。
21時ごろホテルのバールへ行き、
ハモン半皿とリオハ、地元白、オロロッソ セコ、マラガ酒を
胃に詰め込み、本日の行事終了。
バールで、83年から3年間日本に住んでいたと言う、
マドリ人に教科書通りの正しい日本語で声をかけられる。
いろいろな人がいるもんだ。
4月20日(火)ハエン2日目
妻、体調が思わしくなく、朝から薬局へ向かう。
薬は驚くほどやすい。
薬剤師に勧められた薬は、すごぶる大きな錠剤で、まるで鉄腕アトムの
のようだ。
恐る恐る飲み込んだところ、その大きなボタンは食道を無事通過してくれた。
外国の薬はどこ産であろうが、日本人の体質に合うかどうか心配してしまうが、
体調は改善の方向に。やれやれ。
11時、街の中を這いずり廻って、やっと駐車場に車を入れる。
WINEを売っている店を覗くと、27年、62年、64年の
ウニコさまたちがウインドーの中にいらっしゃった。
でも、天日にさらされ続けているウニコは、
インテリアとして持ち帰るにはあまりにも高く重たいので、
次のフレッシュな出会いを祈願し、拝むだけにしておいた。
食事のためにバールを探すが、どこもだめだ。
バールのカマレロも感じが悪いし、日本人または東洋人が嫌いなようだ。
2件に入ってみたが、2件目は カモミールティーを頼むとアールグレー、
トルティーヤを頼むと腐りかかったものが出てきた。
この街はがちゃがちゃしていて面白くないし、好きにはなれない。
薬剤師のお兄さんや、スーパーのお姉さんは親切であったが、それ以外は頂けない。
スペインは何度も旅行しているが、ハエンには2度と来ることはないだろう。
好みのワインもないことだし。
ハモンイベリコとチーズとWINEといちごを買って、ホテルに帰る。
いちごは公設市場で180Pts(150円)で1kgも買える。
味の方は、5個中1粒甘くてうまいのに当たる。
部屋のテラスで、まず CAVAといちご。
景色は、まあまあ美しいが、期待していたほどではない。
テラスにはショウジョウバエが多く、あらゆるところへくっつき、くっついた途端、
息が途絶えている。
気持ち悪い。落ち着かない。
蝿がグラスに飛び込んできたところで、景色よりも衛生第一。
テラスから部屋の中へ退散。
ハエンの街は、ハエが多いのである。ハモンとチーズで、まず赤を1本開ける。
街で見つけたワインブティックで勧められた
Gromejon, Ribera del Dueroである。
しかし、割り箸臭く味もひどい。
せっかくのハモンが台無しになるので、
同じ店で買ったPesquera '96, Ribera del Duero、
('95が欲しかったが在庫切れ)を開けることにした。
96年のペスケラは悪くはないが、少しアーティフィシャルな樽香が鼻につく。
'94も '95も美味いのに残念だ。
この店では、店員が1本分チャージし忘れたことに後々気づき、
在庫帳を付けていたようだし、店員が困ると気の毒なので、
わざわざ支払いに戻ってあげたのだ。
なのになのにである、対して感謝もされず、まずいワインをつかまされて…
ワインショップまで相性が合わないとは。
イメージが奈落の底に落ちきってしまったハエンである。
2度と来るもんか、フン。17時、昼寝。
21時、ルームサービスで、サーモンサラダと子羊のフィレソーミニヨン・
5種類の粒胡椒ソースをたのむ。
柔らかくてうまい。夫、勇気を出してお昼の残りの、割り箸くさいワインを飲み切る。
4月21日(水) ハエン脱出→チンチョン
起きたらもう9時だ。昨夜のハモンとチーズの残りをパンに挟んで、朝食とする。
10時半過ぎにチェックアウト。
順調に2度と来ることのないハエンの街を脱出するが、
高速道に乗ると11時になっていた。
途中、雨に降られる。峠では、横転したトラックもあった。
風が強く、いろんなものが高速道に落ちている。
14時頃、すっかり青空の chinchonに到着。
修道院を改装したパラドールは、ガイドブックが説明している通り、明るく、美しい。
壁や天井に描かれた絵に気を取られて歩いていると、階段を踏み外しそうになる。
部屋も清潔感があり、ゆっくり休めそうだ。
今回は、城、宮殿を中心にパラドール選びをしたが、宿泊するとしたら、
修道院か現代風のパラドールの方がホテルとしての設備は良いかもしれない。
車をガレージに入れて、辺りのバールを探るが、
小さな街なのでどこもたいしたことが無い。
とりあえず、客が一番多く入っていそうなバールに入って、グラスワインを頼む。
ワイン2杯で150Pts.と、今回の最低価格、加えて味も最低。
結局、15時半にホテルで昼食を取ることにする。
小皿料理8皿セットと、トレド山のうずら、仔羊と仔豚のグリル。結構うまい。
ワインはRAIMAT Mas Castell, Reserva '94 (CS100%),
http://www.codorniu.es。
メニューには '91(9/10点)と書いてあり、期待していたが、出てきたのは '94。
コルクが抜かれた後に気づき、後の祭り。
たぶん、在庫が入れ替わりメニューを変えていないのであろう。
同じく Excellent Yearなのでまあ良しとする。
味の方は、久しぶりにボディーのしっかりした、
すっきりしていて美味しいCSに出会ったという感じ。
幸福感に浸り昼寝。
21時起きる。どうせすぐまた、お布団に戻るだろう。
プラザマヨールにでかけても、
活気はゼロであろうことが、昼間の雰囲気から容易に想像できる。
22時、外へは出ず、パラドールのバールへ行く。
バールはタラベラタイル張りで、それに合わせて青白統一でとてもおしゃれ。
Cava, Juve Camps Reservaのハーフを頼む。
少し酸味が強い。
グラスで、Chinchon産と RiojaのCaceres de Marques の
赤2種とオリーブを頼む。
Chinchon産Wineは、半分くらい残っているワインがあるにもかかわらず、
わざわざ新しいボトルを開けてくれた。
ここのカマレロは、一見、怠惰、無愛想さを感じるが、実は、とても親切である。
Jaenのバールで受けた扱いが散々だっただけに、
素朴でやさしいカマレロたちにホッとするのであった。
昼のカマレロが WINEリストを交換しにきた。
無理矢理、
昼飲みそびれたRaimat Pago de Moga '91を1本頼む。
だが、リスト掲載ミス。
幻の逸品であった。
23時、バールが閉まる少し前、立派なグラスを借りて、部屋に戻り、
ハエンのあの相性の悪いワインショップで勧められた最後の1本、
Valduero’96, Ribera del Duero(1380Pts.)を恐る恐る開ける。
乳臭いが割り箸臭はしない。
ちょっと安心して、口に運ぶと酸味が強い。
シエスタを充分したせいか、
今回の旅行での最後のパラドールは長い夜を迎えることになりそうだ。
酸味が和らぐことを期待しながら、ゆっくり味の変化を楽しむことにする。
4月22日(木)チンチョン→マドリッド
出発前に、Chinchonの Paradorのなかを探検する。
奥の方がおしゃれだ。写真を取る。
11時半に出発。順調にマドリに入る。
グランビアへあと一歩の交差点で、無謀な車線変更。
それ以外は問題なく走行し、12時半過ぎにAVISへ到着。
17時までの予約を早めに返したからなのか、1日短縮されて安くなった。
ホリデーイン・クラウンプラザにも無事到着し、早めにチェックインもできた。
日本で割安クーポンで購入しておいたホテルなので、あまり期待はしていなかったが、
部屋はまずまず。
朝食も税金も全て込み料金を考えると、初日に泊まったホテルより遥かによい。
ガリシア料理のバールへ行き、自家製の白ワインとしょっぱいえびを食べる。
Navajas入荷の日ではなかった。残念。
そのあと、日本料理屋「どん底」で、刺し身定食を食べる。
たくさん食べても、胃もたれしない。
どん底で、隣の席の日本人が読んでいた朝日新聞を目にすると、
無性に新聞が読みたくなってきた。
20日ぶりに自国の食べ物と活字に飢えはじめた。
キオスクで1日遅れの日本語情報、新聞を買う。450Pts.也。
その後、エルコルテで、妻は琥珀の銀細工にはまりまくり。
夫はマンウォッチングをしながら、人様の邪魔にならないようにひたすら妻を待つ。
その様子が怪しかったのか私服の警備員が、こっそり夫の後ろでビニール袋を、
センサーでチェックしていた。外国人が怪しがられるのは、万国共通なのか。
疲れたので、ホテルへ戻りお決まりのシエスタ。
夕方、のそのそ起き上がり、ガイドブックをもとに、バスク料理屋をさがす。
チャコリ Txomin Etxaniz '97, Chacoli de Guetaria-Getariako
Txakokina (5.25/10点)1本 とムール貝のスープを頂く。
懐かしのチャコリ。
次回はバスク地方へ戻ろうと心に決めるのであった。
ちょっと歩いて、夜の町並みを見学、ライトアップされていて、
アルカラの門も中央郵便局も美しい。
「ピレーネを超えれば」と言われようが、やはりヨーロッパである。
プラザマヨールに向かう。
Cava de San Miguel 通り付近の、髭のガードマンが門に立っているバール、
Las Cuevas de Luis Candelas へお邪魔。
ペスケラのクリアンサ’95がたくさんあるが、
ボトル1本はもう飲めないので、明日に楽しみを取っておくことにする。
フランス人の中高年の陽気な団体さんが、ハモンハモンと呪文のように言いつづけ、
忙しいカマレロの注意を引くのに必死。カマレロが、
「ハモン1皿?」と、確認すると、ムッシューたち、
皆揃って、「Oui Oui」と頷いている。
こちらも、ここのハモンがそんなにうまいのかと、ハモンオタクとしては、
気になってしょうがない。
刺しの入り具合は確かに美味そうだ。
でもお腹は定量。明日の晩御飯は、ペスケラ '95とハモンに決定である。
4月23日(金) マドリッド2日目
朝、10時過ぎに朝食を取り、12時頃にグランビアへ出かける。
三越マドリ支店を見学。さすが「高級品はお三越」のキャッチは正しい。
ウニコも売っている。エスペシアル、ウニコ’86、クリアンサ、がそれぞれ、
27000Pts、21000Pts,17000Pts。当たり前だが、ロエベもあるしリヤドもある。
ウニコも含め、なんとなく他のお店より高そう、という先入観があった。
何も買わずに、店を出る。
コルテフィエールでスーツを買おうと、あれこれ試着をする。
ジャケットは良し。が、ズボンは日本人の体系には適しない。
臀部の作りが違うようで、なんだかみっともないのである。
2、3回座ったり、立ったりすると、お尻がビリッと破けそうな予感さえする。
要するに、スペイン人は、男女問わず、お尻がきゅっと上がっているのであろう。
あーでもない、こーでもないと、何かが違うと主張する我々に、
「君にはパーフェックトのサイズだと、僕は思う」と、
売りたがりの店員のおやじは反撃する。
2,3回でお尻が破けてしまっては、あまりにも虚しいので、店員おやじの意見は無視。
結局、コットンセータのみ購入。
出るときに万引き防止警報が鳴るが、我々に反応するわけない。
しらんぷりして通過する。
ロエベへ値段チェックに行く。
日本より安いが、さすがに皇室御用達、平民には高すぎる。
「見てるだけー」のコマーシャルを思い出しながら、店を出ることにする。
家具とキッチン用品部があるエルコルテへ行く。
その地下食品売り場にもワインセクションがあった。
べガシシリアの在庫を持っていそうなワインショップを、
客にアドバイスをしていた初老のセニョールに聞く。
「うーん、それはかなり難しい、なんたって、なんたって、おベガ様・・・・」と、
さんざん能書きを聞かされた後、ありそうなお店情報ゲット。
ウニコとの出会いが難しいのは十分知っている。
出会いの長旅の前に、腹ごしらえをする。
昼はパエリヤを食べようと、KORYNTOへ行く。ガイドブックのお勧めの店。塩ぱい。
老舗らしいが、カマレロの接客態度、味、値段、全然お勧めしない。
先ほど、コルテフィエールで買ったセーターに、
万引き防止タグが付いたままなのを発見する。
店を出るときに鳴っていたのは、これが反応していたのかと、納得と同時に怒り。
簡単にはずれるものではないし、万引きと間違えられるではないか。
怒りぷんぷんでコルテフィエールへ戻る。アテンドしていた店員発見。
「おっさん、することちゃんとしてよー」と、
文句。
怒りに燃えた視線が刺さったのか、それでやけどしたのか知らないが、
こちらの感情を充分感じ取ったらしく、日本のようにペコペコ謝る文化を持たない店員、
すまなそうにロシエントと謝る。
怒りがシューと収まったところで、ウニコへの旅へ出ることにする。
先のセニョールの情報を頼りに、エルコルテのカスティアーナ支店にあるという
グルメセクションへ行く。
遠回りさせられたが、情報は基本的には正しかった。
だが、そこには、べガシシリアはなく、そこの店員から再度、情報入手し
エルコルテのゴヤ支店へ旅する。
エルコルテをたらい回しにされて、
やっとVega Sicilia Unico '81, Gran Reserva
(65%TintoFino, 29% CS, 7.5% M, 7.5% Malbec) (8.75/10点)を19,000Ptsでゲット。
ここで、何となく三越の Vega-Sicilia が安かったような気がしてくる。
帰りに、近道をしてホテルの裏手歩いていると、ワイン屋を発見する。
あんなに探してもなかったワイン専門店が、こんな近くにあるなんて。
試飲もさせてくれる。
でも、ウニコは別セラーで保管とのことで、当日に購入することはできなかった。
Vega-Sicilia出身の醸造家が作ったという、店員お勧めのお土産WINE、
Montebeca '95, Ribera del Dueroを購入。
このとき店員が調べていたワインガイドブックが欲しくなり、
後ほど買いに行くことにする。
一旦、ホテルへ荷物を置きに帰る。
さて、金曜の夜のバール探検大会だ。
昨夜から楽しみにしていた、例の
Pesquera, Crianza'95 (8.25/10点)と
ハモンイベリコを食べに出掛ける。
期待通り。
ワインもハモンもオリーブも全部美味い。
気分が良くなったところで、バールのハシゴ、ジグザク攻撃開始。
Meson del Champinonで名物料理のマッシュルームの鉄板焼きと白、赤グラス各一杯。
El Rincon de la Cavaでは赤、白を一杯ずつ飲みながら、生演奏の音楽を楽しむ。
名前は覚えていないが、グラス売りが多いワインバーで赤白を頂く。
一杯450Ptsの赤、CSが美味かった。
その後、勢いで、Cien Vinosという名のワイン専門バーに行くことにするが、
なかなか見つからず、途中、おトイレに入ることを目的に入ったバールで、
サンセバスチャン出身のバスク人と息投合。
グラスワインをご馳走してもらう。Cien Vinosは見つからない。
ブタタイル張りバールへ入ろうと思いきや、今日はもう終わりとのこと。
歩いてホテルへ戻ることに。ホテル着、2時。
4月24日(土) マドリッド3日目
さあ残されたのは、あと1日。それにしても昨日は飲んだ。
バール大フィーバーに満喫。
財布の中を確認すると、帰りの空港までのタクシー代くらいしか無い。
こりゃあ、出国税があったら払えないぞ。(実際には、出国税は無かった。)
二日酔いで、朝食もほどほどに出かける。
レートは悪いが、ホテルで1万円の TCを Exchangeする。
三越で、UNICOの値段をチェックする。
エルコルテやホテル近くのワイン専門点の価格より安い。
「三越は高い」という先入観はいけない。
旅行中、特にマドリであんなに探し回った Unicoが、三越には
あとほど在庫があると言う。
9月には完売するだろうとのこと。
なにか釈然としないが、日本人の店員のお兄さんに、夕方に出直すと言って、
本屋へ。
目的は、昨日情報入手した、ワインガイドブックを買うためだ。
スペインで一番大きいというグランビアの本屋、CASA DE LIBROSへ行くが、
目的のWINEガイド GUIA DE VINOSGOURMET‘99は品切れ。
Solのエルコルテには '98版しかなかったので、Callaoのエルコルテへ望みを託す。
さすがのエルコルテで本を発見、幸せを感じる。
その他、お土産も買い足す。
本を探しまわって、あっちの棚こっちの棚とぐるぐる頭を回転させたのが、
二日酔いには厳しすぎた。床が歪んで見える。気持ち悪い。久しぶりの二日酔いだ。
味噌汁が飲みたい。胃と脳が、わがままになっている。
帰国前日にして、東京太呂で刺し身定食を食べることにする。
東京太呂には、さきほどの三越のお兄さんも昼食に来ていた。
お兄さんはスペインにマッチした、濃い顔なのですぐに分る。
刺し身は「どん底」の方が 0.5mm厚いか。だが、東京太呂のご飯はうまい。
夫は巨大な茶碗てんこもりご飯を、ばくばくぱくぱく平らげてしまった。
そんな夫に、心やさしき妻、2/3茶碗分のご飯をドーネーション。
ヒットは、ひらめの縁側。日本産の3倍のボリュウム。うまい。しあわせだ。
これは夫には分けてあげない。
どん底のお刺し身定食との 800Ptsの価格差は、縁側とお米にあった。
日本でもそんなに食しない和食
(特に夫は、Frenchばかり食べているのでは、と思われている節がある。)、
それも味噌汁を体調不良のときに食べたくなるなんて、
自分たちが純日本製であることを痛感してしまった。14時。
お土産を買うために、Plaza Mayorへ向かう。
すでにほとんどの土産屋は閉まっている。
プラザの中を一周して良心的で、てきぱきおばちゃんがやっている土産屋を発見し、
パエリヤのマグネットを買い占める。レシピ付きである。
歩き回り疲れてきたので、どこかで一杯むかい酒することに。
懲りない夫婦である。どうせならと昨夜、発見できなかった CIEN VINOSへむかう。
途中で面白いセンスの土産屋にはいり、レンタカーで大移動中に何度も見かけた、
広大な牧場に立っている黒牛のオブジェの飾り物を購入。
思い出深い一品である。
CIEN VINOSに無事到着。
15日毎に変わるという、グラス売りワインが板書されている。
一番高いTintoで一杯350Pts。
バールごと、日本にお持ち帰りできないのが残念だ。
飲んだワイン:
Roura Merlot Reserva '94 Alella 、うまい
Gessami (Blanco), Penedes (5.5/10点)
http://www.troc.es/gramona.うまい
Dehesa del Carrizal C/S '95 Tierra (Ciudad Real=la Mancha)
('94は9/10点)、タニックだが味薄
Masia Bach Merlot '96 Penedes (83点,5.50/10点)
http://www.asertel.es.codorniu.
Raimat Gran Brut (CAVA) (7.75/10点)
次は、Unicoをゲットに三越に向かう。
途中でCASAというおしゃれなリビング用品の雑貨屋にはまる。
葡萄柄、オリーブ柄のプレートなど欲しいものは山ほどある。
札幌までタクシーで帰れないのが残念だ。
しぶしぶスーツケースの大きさに見合った物を買うことにする。
三越のお兄さんから
Vega-Siciliaシリーズ3本受け取り、
なぜなぜしながらホテルへ帰る。
「高級品はお三越」のキャッチ通り、スペインでのウニコ出会いの旅は、お三越にて、
あっけなく終わってしまった。
さて、ホテルで今回買いためたワイン達の記念撮影。良く見ても、良く見なくても、
RIOJAは一本も無い。Riojaを嫌っているわけではないが、Rioja疲れと、
特段、愛すべき味にめぐり合っていないだけなのだ。
夕食と最後の勝負に、再度 CIEN VINOSへ向かう。
その前に、ハモン屋でマドリっこお勧めの CECINASを食べる。牛のハモン。
ビーフジャーキーとも違う。確かに美味しいが、胃袋のスペースを考慮するなら、
迷わず、ハモンイベリコを選ぶだろう。
CIEN VINOSへ迷って到達。いつも迷っちゃうんだよね。
飲んだWINEは以下の通り。
Casa Gualda '97 la Mancha, Cecibel 80%, Merlot20% (5.50/10点)
http://www.vino.eunet.es/casagualda/、
甘みを感じる。うまい。
Carchelo '98 Jumilla (Monastrell=葡萄の品種)、
へたくさい、タニック。だが、時間が経つと臭みが飛んで結構行ける。
Finaca Elez
めちゃうま。本日の一番。
Raimat CS '95, Ribera del Duero、
タニック、美味い。実は、帰国便機内用に1本買ってある。
Masia Esplanes, Collita '95, Tarragona、普通に美味い。
Roura Merlot Reserva '94 Alella、
昼にも頂いたが、やはり美味い。タニックでしびれるほどボディーが強い。
バールのお兄さんが Invitationのデザートワインを出してくれる。
Tinto Dulce,美味しかった。
我々ののみっぷりにあきれたのか、ワイン好きの仲間と見たのか、
とにかくこのような扱いはとてもうれしい。
ここは今後、必ず立ち寄るバールに決定である。
おつまみのパテといい、一皿料理といい、
使っているグラスの果てから、全て気に入った。
その他、食べた一皿料理とおつまみは、
Pimientos rellenados con carne (赤ビーマンの肉詰、トマトクリームソース和え)、
Gamba con crema (えびのクリームソースがフランスパンに乗っかったもの)、
とにかく思い出しただけでもよだれが出る。
客が入ってくるなりリオハとオーダーすると、そのバールのお兄さん、
「うちにはリオハはないんだよね。ただ、近くの Navarraはあるよ。」と、
さらりと言う。
うーん、すぐれている。好みが一致している。主張のあるバールである。
リオハを嫌っているのではなく、美味しいリオハもあるのは知っている。
ただ、どの地方のバールに行っても、美味しいワイン、
スペシャルなワインとオーダーすると、
決まってリオハが出されるので面白みをあまり感じないのかもしれない。
お勘定を済ませ、素晴らしいワインバーだということと、
来西の際は必ず立ち寄るということを、お兄さん告げると、握手を求められる。
さて最後の夜、食べ残しているものはないかと考える間もなく、
食いしん坊モード絶好調。
蛍いかのフライとうなぎの稚魚が食べたい。足はPlaza Mayorへと向かっている。
前々からチェックしていた魚介が美味そうなバールに入り、蛍いかはあるかと聞くと、
ここにはないと言われる。
がっかりして外へ出ると、我々のやり取りを聞いていた熟練カマレロが、
我々が彼の後ろを通る頃を見計らい、まるでトランス状態の預言者のように、
「アッチヘイクト、ベィビースクイッド。アッチヘイクト、ベィビースクイッド。」
とぶつぶつつぶやいている。
預言者のお言葉とおり、あっちへいくと確かに蛍いかのフライがあった。
幸せ気分でテラスで頂く。
先程の熟練カマレロがいたバールに、お礼も兼ねて引き返し、大人いかリングを一皿、
テラスで頂くことにする。
しかし、暴利なくらい高いお値段で、かめないほど硬い大人いか。
一皿に6リングくらい乗っかっているだけで、CAVAのフルボトルと同じくらいする。
味も不満足。
まあ、プラザマヨールの場所代が入っているということで納得することにするが、
ここでの次回はないのである。
全行程25日間の旅、最後の旅、うなぎの稚魚は次回見送りとなったが、超満喫して幕を閉じる。
あー楽しかった。
4月25日(日) マドリッド→札幌 (帰国)
昨夜遅くまで飲んで食ってで、バク睡のはずだった。
どー考えたって、どーまるめたって、捨てたって、
スーツケースの容量かなりオーバーの荷物のことが気になり、
おちおち寝ちゃーいられないのである。ということで、6時起床。
夫は何を捨てようか、あのシャツにあの靴下、
お世話になった地図・・・と腕を組んで考える。
妻は、「大丈夫、大丈夫、入るわよ。」と、入るわけがないのに自信満々で、
衣類のボリュームダウン作戦。
せっせとパンツの果てまで、小さく硬く丸めている。
きっと、買いこんだ物半分くらいしか思い浮かべていないのだ。
とにかく、最初は、きれいな衣類、洗濯衣類、お土産、ワイン、ガルバンソ、
本コーナー、なぁーんて几帳面に区分し、詰めてみる。
我々のバゲージは、機内持ちこみ可サイズとそれより少し大きいスーツケース各1個、
布製の少し大きめのバッグ、ディバッグ、スーツケースと対の小型バッグである。
妻はすぐに現実に直面。冷静に作戦を練っていた夫の登場。
Vega-Siciliaのワインさんたちを、平気で洗濯物パンツや靴下で包み込む夫。
大胆である。
妻にはできない技である。
夫のこの分別無し技の甲斐があり、多少くたびれたサンダルに別れを告げるくらいで、
荷物が出来上がったのである。
荷物がまとまると、安心して、時間は早いが空港に行くことにする。
マドリッド、バラハス空港 16:20発 AF1601
やはり、かなり早く着きすぎてしまった。
ホテルで一眠りすれば良かったと思っても、もう後の祭である。
とにかく、ひたすら時が過ぎるのを待つ。
待ちくたびれているところで、パリ行き AFは 30分遅れ。
ボーディング時間を15分過ぎてから、初めて遅れるとのアナウンス。
お急ぎのところうんたらくんたらというお詫びも無い。非常に雑な対応である。
パリ、シャルルドゴール空港 ホールF 17:40着、トランジット19:00発JL406 ホールA
遅れたフライトのため 18時6分にパリに着陸。
隣席の旅慣れていないアメリカンボーイは18:55発のNY便に乗り換えるので、
かなり焦っていた。
ホールも変わる。我々も19:00発の便に乗り換えなくてはならないし、
免税手続きもしたい。
アメリカンボーイ、キョロキョロしながら前方を走っている。
英語で Transitと標記されているのに、どこにでっかい目をつけているのか、
そのアメリカンボーイが到着ロビーへ向かうのが見えた。
「君、違うよー」と呼びとめたいが、名前を知らない。
ヘイもミスターも、TICのカフェテリアのおばさんのようで変だ。
ムッシューでもないし、セニョールでもない、僕ちゃんでもないし。
とにかく、ダッシュでアメリカン僕ちゃんを追いかけて、
とっても親切な日本人を演ずる。
その後、我々も走る。
背中に機内で飲むワインを1本、Raimat CS '95をしょっている。
ワイン9本入ったスーツケースをキャスター頼りに転がすが、
腕にずっしり重たさを感じる。
ターミナル間シャトルBUS乗り場を無事発見。
ホールFからホールAへの端から端の移動はスムーズであった。
JALカウンターに30分前に到着。
半ばあきらめていた免税手続もなんとか完了。
セキュリティーチェック、イミグレを通過し、名指しでお急ぎCallされる前に、
なんとかボーディングできた。
時間つぶしに入ったマドリの空港内のカフェテリアの無秩序さに、
思わず切れてしまい、
加えて、AFカウンターの従業員のサービスのサの字も感じられない対応に、
うんざりさせられた後だけに、
JALカウンターでの日本流の丁寧な対応には安堵感を覚える。
昔は、少々 Too muchにさえ感じていたのに、不思議だ。
やはり、年齢とともに、日本人の純度が増すようである。
機内はほぼ満席。往路の AFと共同運航の JAL便で飲み放題だった
Pommeryは、
復路の AFと共同運航でないJAL便には「御用意」されていなかった。残念。
4月26日(月) 13:10 成田着
14:50成田着予定が、13:10に到着してしまった。
しかし、成田→札幌便はちょうど良いのが無い。
満席で11時間、同じ姿勢を保ちつづけた後の、約5時間の待ち時間はなかなか厳しい。
出発が定刻より遅れることはあっても、早まることがないのが飛行機だ。
18:30までいったい何をしようか。取りあえずそば屋へ向かう。
18:30 成田発JL565 20:05千歳着
すっかり雪の解けた札幌に無事到着。
たまった郵便物に Eメールチェック、あれはどうなっているか等々、
あっさり現実に引き戻されたのである。